屋久島を旅行 世界遺産区域、縄文杉
「屋久島は月のうち、35日は雨。」
作家、林芙美子「浮雲」。屋久島の至る所で目にした、とても有名なフレーズだ。
先日、友人3人と共に、私は屋久島2泊3日旅行に行った。
雨が多いと言われる屋久島だが幸運なことに、この旅行中は雨は降らなかった。
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1日目:屋久島一周
平内海中温泉→大川の滝→西部林道→永田いなか浜
屋久島には道が一つしかない。ひたすら直線のドライブウェイを走る。島一周。
干潮時に海から姿を現す、混浴の天然海中温泉。
外国のバックパッカーガールに私は燃えた。
混浴の秘湯に来たのは、4年前、別府で山に登った時以来だ。
海に浸かっているオーシャンビュー、温泉の魔力、キラキラと反射した、どれほど心地良い。
車を進める。
名水百選、大川湧水を飲み、私は一言。
「これは、軟水。」
西部林道を走らせる。
ヤクシカのつぶらな瞳、思っていたよりも強い脚力で山道を上って行く姿が勇ましい。
ヤクザル達の昼寝会場が、斜線を遮る。一向に動く気配がない。
「なんでわいら、ここから動かなアカンネン。」
というサルの気持ちを車窓越しに感じた。なんとも言えぬ表情。
(Photo by Aki , Edited by Sawada)
サンセットが近い。空が赤くなり始めた頃、キメの細かい砂浜にたどり着いた。
透き通るエメラルドグリーンの海と、砂浜まで黄昏色に染めた夕日が、非日常の旅であることを実感させた。海に沈む夕日。
そして、私はウミガメの気持ちを思っていた。
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2日目:縄文杉登山
屋久島自然館→ 荒川登山口→トロッコ道→大株歩道入口→ウィルソン株→世界遺産地区→縄文杉
浅い眠りから覚めた。
屋久島自然館まで車を走らせ、バスに乗り換え荒川登山口へ。バス内は誰もが眠っているようだ。
気付けば登山口に立っていた。まだ夜は明けない。
一日の始まりを未だ認識出来ていない重たい身体で、一歩を踏み出す。
(Photo by Maya , Edited by Sawada)
ひたすらにトロッコ道を進む。歩き辛いためか、下を向きながら進む。
「どこまで続くのだろうか。」
俯きに、そんな言葉を何度も零した。
それは、長い時間を歩いたからなのか。あるいは、前を見上げれば、続く道が見えるからなのか。
(Photo by Aki , Edited by Sawada)
ある程度進むと、レールむき出しの状態ではなく、板で舗装されたトロッコ道に変わった。どれほど歩きやすい。
景色どこかには常に、川が見えていることが多かった。歩くにつれ、上流に向かっていることを肌身で感じ取れた。
また、縄文杉(ゴール)に近づく程(上る程)、湧水が美味しくなっていった。
(Photo by Panda , Edited by Sawada)
前を歩く登山者達が、足を止めている。そして何かを見上げるようにこちらを振り返っていた。
私たちも同じように、足を止め、振り返った。そこにあったのがこの一枚だった。
朝霧を照らす木漏れ日の林道。幻想的な風景だ。森は生きている。
(Photo by Panda , Edited by Sawada)
杉の大木の中に入ることができる。樹の中から上を見上げるとハートが現れる。ウィルソン株。足下には小川も流れていた。
かつて、登山人達は、この中で夜を明かしたそうだ。
そして、更に森の奥へ。
(Photo by Sawada , Edited by Sawada)
世界遺産区域に入った。
ここからは本当に不思議な気持ちで溢れていた。
ただ、どこまでも透き通るような白い森だった。その中を歩いている自分に、違和感すら覚える程だった。
一歩一歩確実に。涼しく清らかな水のせせらぎ、何本もの杉の大木、苔の黄緑、白い景色。
映画「もののけ姫」の舞台となった場所ということを思い出した。
ここを歩いている時が最も楽しかった。本当に楽しい登山だった。
縄文杉の姿も突然現れた。
7200年(他説では2300年)前に誕生した杉。世界最古の植物。
ありきたりな言葉だが、畏怖の念を感じずにはいられなかった。
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共に屋久島に行ってくれた、まやさん、ぱんだ、あき、ありがとう。
素敵な写真、気に入っています。
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P.S.
(Photo by Panda , Edited by Sawada)
下山後、倒れるように昼寝。
私たちは、夕食にトビウオの唐揚げを食べた。