ハウルの動く城の舞台、ストラスブール(フランス)①:世界遺産観光と街歩き
2017年夏、ストラスブールで行われた国際学会に参加した。フランスに来るのは2度目。以前はパリ、以下参照。
ストラスブールはパリとはまた異なる美しい景観を持つ街だ。学会の合間、1ユーロで購入したフランスパンかじりながら街歩きをしたので、その様子をブログに書く。気取った日本人学生そのものだ。
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ストラスブール街歩き、ぼーっと歩くだけでも楽しい道
ストラスブール国際空港に着陸後、電車で中心街まで。
ストラスブール空港内で円→ユーロの両替をすることができないのは着いてから知ったこと。私は預金から引き出す形になったが、同行していた先輩は非常に困っていた。
出発早々、電車に乗る際、クレジットカードが使えず、キャッシュでしか切符を買うことができなかった。円しか持たない先輩を「ここではその紙幣、無価値ですよ…笑」といじっていたことをよく覚えている。そんないじりも笑いに変えてくれる先輩だった。
ストラスブールの街並みは何とも一見賑やかなようで、少し歩いてみるとどことなく田舎の雰囲気に合致するものがあり、落ち着きがある。美しい景観だ。
特に、路地裏を歩くのが楽しい。ヨーロッパにいるんだという実感がわく。ワインとチーズ、スイーツのお店が多いのもフランスらしい。
広場の中心にはメリーゴーランドが設置されており、華やかであるものの、人はそこまで多いというわけではない。どちらかといえばガランとした様子。
別日には同じ広場でスイングバンドの演奏が大掛かりに行われていたが、こちらも大盛況というよりは、そこそこ人がいる、程度。
都会すぎず、田舎すぎず、地方都市に隣接する街、そこがたまたま観光地になってますよ、といったイメージ。もちろん良い意味で。
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世界遺産、ストラスブール大聖堂
写真に収まりきっていないが、天高くそびえ立つ聖堂。
ストラスブールでは、この聖堂以外の建物はあまり高さがないからこそ、街のシンボルとして際立つ。
また、この大聖堂の正面では毎日、誰かが路上ライブを行なっている。この日演奏していた方は、足に鈴をつけ、ギターを弾きながら高音で歌うスキンヘッドのおじちゃん。レストランの店員曰く、彼はテレビにもよく出演する路上パフォーマーなのだとか。別日にはチェロ演奏を聴くこともできた。
さて、私はそんな聖堂へと正面から中へと入り、まずは聖堂内を歩いた。
良くも悪くも、よくあるカトリック系の大聖堂、ゴシック建築といった感じ。細かい装飾等が綺麗。
どの聖堂でもそうだが、聖堂内の荘厳とした厳格な雰囲気が素敵。静寂の中に包まれる感覚は良いもの。
天文時計。一定の時刻になるとカラクリ仕掛けが作動する。私が訪れた際は、たまたまそのカラクリが動いていた時だった。
その後、中を出る。上に登れるらしいとの情報はあったが、登り方が分からない。警備の人に聞くと、人気のない聖堂の脇で待たされる。目の前に古びた扉があるだけ。本当にこの場所から入るのだろうかという心配もあったが、料金を払い、上へと登り始める。時間制で何分かおきにのみ扉が開くというものだった。
長い螺旋階段を登ると、ひらけた場所に出る、一望。聖堂の屋上から見渡すストラスブールの街並みは、色も配置も整っていて、美しい景色であった。
私の話す日本語を聞きつけてか、たまたまその場に居合わせた日本人のご夫婦に写真撮影を頼まれる。
なお、帰りの下りでは足がつりそうになった。運動不足なこともさながら、ビーサンで歩いていたことを後悔した。
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川と運河に囲まれま街、水辺に映える街の景観
ストラスブールは川と運河に囲まれた美しい街並みでもある。
クルージングで街を巡るツアーも観光客には人気のようだ。残念ながら私は歩いて街を回っているため、船は遠くから見ているだけ。
京都の鴨川と四条を想像していただくとわかりやすいのではないだろうか。川と、その街の周りの景色。文化は違えど、川と融合する景観はさぞ美しい。
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プティットフランス、美しい木造建築、世界遺産区域
ストラスブールの中でも特に、世界遺産に登録されているプティットフランス旧市街の景観は一見に値する。
パステル調でメルヘン。ドイツ国境に位置するこの街は、ドイツ文化の影響を受けた気骨の美しい建築様式が特徴。
絵本の中を歩いているよう。完全に観光地でありレストランやバー、お土産屋が並ぶ。特に上の写真の箇所で写真を撮る観光客が多かった。
夜は一層美しい。歩いていて思うことは、実際に足を運ぶお店の数は限られている。入ってみたいバーにもレストランにも、結局行けずじまい。本当はそこに何があって、どんな人がいて、何が見えるの。
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フランスの人たちは15時ごろになると皆、働くのをやめ、街のレストランで飲み食いを始める。そして19時になれば、バー以外はどの店も閉店する。
8月初旬に訪れていたが、ストラスブールの日は長く、21時ごろまで日が沈まない。だから、閉店する店が多いと、なんだか寂しい気持ちになる。まだ明るいのに。
観光地であるからか、オープンテラスのレストランが多く、家族や友人と共に外食を楽しむ人々で溢れかえっているように見えた。
早くに仕事を終え、食事を通じて交流する時間を大切にしているようだ。
日本の孤食者、つまり毎日の生活においてたった一人で食事をする人の割合が15%になるとニュースで見た覚えがある。あなたはどうでしょうか。
私自身、誰かと一緒に食事をする時間を大切にできているだろうか。大学卒業間近になって一層実感するようになった気がする。来年からは社会人として働くからだろうか。
そんな私はストラスブールには1週間弱ほど滞在していたが、川辺でランチをすることが多かった。川が綺麗だったからだ。それだけ。
海外でご飯を食べていると、人に話しかけられることも多いように感じる。
この時、私たちの隣で食事をしていた人にも話しかけられた。私たちは学会でストラスブールに滞在していたのだが、その方は別分野の学者で、生物学を専攻している先生だった。オランダで国際学会があったらしく、終わったのをキッカケにしばしのバカンス、ヨーロッパを旅行しているらしい。なんとも自由だ。
そんな見ず知らずの人との些細で何気ない会話ですら、人は思い出にしてしまう。そう思うと、人と共にする食事が愛おしく感じてしまう。外に出て、横の人と食事を楽しめる文化がどんどん広まっていけばいいのに。
あ、そうそう、ご飯の写真はストラスブールの何種類かある名物料理のうちの一つパンをパスタにしたような感じの何か。味はパンをパスタにしたようなもの…、普通に美味しい。
身近なハートウォーミングがあと一つ。夜に皆で飲もうとコンビニでワインを購入した時があった。「飲むんだろ?若いの、楽しんで」と、店員さんがコルクを開けてくれる。
こんな小さなコミュニケーションも思い出の一つ。